(第14回)木曽駒ケ岳と千畳敷(長野県) - 心に残る日本の旅/温泉、ローカル線、宿 (井上晴雄)

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(第14回)木曽駒ケ岳と千畳敷(長野県)

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駒ケ岳ロープウエイ、秋色の千畳敷から木曾駒ヶ岳山頂へ
~「木曾駒ヶ岳」(長野県駒ヶ根市)~


 長野県南部、伊那谷を流れる天竜川の上流に目を遣ると、ちょうど西の方角に高い山が聳えている。それが木曾駒ヶ岳(標高2956m)。隣の甲斐駒ヶ岳とともに日本百名山に数えられている中央アルプス最高峰である。

江戸時代の寛政期、覚明行者が登山道を開くまでは、厳しい修験道が隆盛していたが、それ以降は急速な交通機関の整備により、千畳敷間までバスとロープウェイで往来できるようになり、登山客で賑わうようになった。
風衝地帯である千畳敷の氷河地形、稜線上からのアルプス連山の景観など、四季折々に変化する自然の美しさや雲上からの大パノラマは、登山者を魅了して止まないだろう。

 
前日の21時の夜行バスで大阪を後にし、名神高速道路、中央道を通って駒ヶ根ICで下りた頃にはすっかり黎明の光景が広がっていた。バスはそのまま菅の台バスターミナルへ。駒ヶ岳ロープウェイの基点であるしらび平駅周辺には、観光バスやマイカーを駐車できないので、ここで路線バスに乗り換えることになる。朝6時発の路線バス。色付き始めた麓の山々を窓外に細道を揺られること40分ほどでしらび平駅に到着し、ロープウェイへ乗り換える。



 昭和42年に完成した駒ヶ岳ロープウェイは、しらび平(標高1690m)と千畳敷(標高2640m)間を約8分で結び、その高低差(950m)は日本最大とされる。

訪れた日は秋の紅葉シーズンであったため、整理券が配られた。
早朝にも関わらず、ツアー団体やリュックサックをかろった個人客で改札口は溢れかえっていた。掲示を随時確認しながらロープウエイの順番を待った。
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 1時間ほどしてロープウエイに乗ることができた。80人ほどを乗せた大型ロープウエイは一気に高度が上げていき、眼下に見下ろす初秋の緑は、次第に深秋の黄金色の木々へと染まっていった。当日は残念ながら出逢えなかったが、季節によってはカモシカや野猿の姿も見られるという。



 15分ほどの空中散歩を楽しんでいると、進行方向に赤レンガの建物が見えてきた。それがロープウエイ終点に当たるホテル千畳敷。そこからいよいよ徒歩で木曽駒が岳登山を始めることになる。千畳敷は、峻険な宝剣山を正面になだらかな扇形を描いて広がる圏谷地形。氷河期から浸透し始めた地下水が豊富なため、植生が豊かなのが特色だ。殊に夏はシナノキンバイ、コバケイソウ、ハクサンイチゲなど高山植物の花畑が広がる。



 その時期は終われど、当日の千畳敷は見事な秋の盛の様相を呈していた。
ホテル千畳敷より簡単な準備体操をして早速歩き始める。右に折れて、楕円を描くように延びる遊歩道を10分ほど進んでいくと、ダケカンバやナナカマドの木々が、黄色と紅色の見事な彩りで迎えてくれた。その色鮮やかな光景にあちこちで歓声が起きていた。
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 すぐに八丁坂分岐と呼ばれる分かれ道に差し掛かった。
左折する登山ルートを取ると、ジグザグの急登りが始まった。この付近の注意点として、足下の石が水分で侵食されていて滑りやすいこと。また、金属の網が施されているものの、右の和合山から小石の落下が時々あるらしいので風の強い日などは頭上にも気を付けなければならない。
それらを考え合わせると、この周辺での長い休憩は避けた方が無難かもしれない。
登るにつれて次第に傾斜も大きくなり、踏みしめていた小石はごつごつした岩へと変っていった。
足場に気を付けながら、時々振り返ってホテル千畳敷一帯に広がる錦色のカールの光景を楽しみたい。 雲が近くなり、濃い霧が立ち込めはじめる。

 左手に宝剣岳を見ながら、1時間半ほど登っていくと乗越浄土と呼ばれる平坦地に辿り着いた。

座りやすい岩も点在しているし眺望が優れているので休憩には絶好の場所である。当コースに関してはこれで難所は終わり。ピークの一つである中岳(標高2912m)まではここから20分ほど。
山頂(標高2956m)までは50分ほどのハイキングを楽しむことになる。
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 乗越浄土から山頂までの稜線歩きは、見晴らしが良くて本当に気持ちが良かった。歩いているうちに視界を遮っていた霧は去り、青空が一面に広がった。東に目を遣ると、南アルプスが相対し、御岳山、乗鞍岳、遥かには富士山までもが眺望できた。吹き抜ける涼しい風を感じながら、2956m山頂にたどり着いたとき、改めて、登山は素晴らしいとその喜びを噛み締めたのだった。



 今回の登山で歩いた箇所は千畳敷から木曾駒ヶ岳山頂までの往復。所要時間にして登り2時間半、下り2時間ほどを要した。その他、路線バスとロープウエイの時間待ちは繁期の場合、余儀なくされるので計算に入れておきたい。ところで、乗越浄土から宝剣岳を経由してから木曾駒ヶ岳山頂に向かうルートもあるのだが、宝剣岳への鎖場は相当の難所なので、本格的な岩場に慣れていない方はくれぐれも避けておく方が良い。
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「木曾駒ヶ岳」情報
場所:長野県駒ヶ根市

交通:車の場合、中央自動車道駒ヶ根ICから菅の台バスターミナル。路線バスに乗り換えてしらび平へ。
鉄道の場合、JR駒ヶ根駅から路線バス。

駐車場:菅の台バスターミナル付近に複数

トイレ:ホテル千畳敷、山頂山荘(有料200円)

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